石葉 夕食編 2019/11/25
湯河原(神奈川)の旅館『石葉』さん。
湯河原、石葉さん♪ 今回は、「蟹プラン」での宿泊です。9月に石葉さんの「松茸プラン」に感動した。石葉さんで食べると何でも格別においしいなと。我が家は蟹はそんなに食さないのだけれど、一生の間に「これ以上ないほどの蟹料理」を食してみたい!と一念発起しました♪
お部屋でお着き菓子をいただきました。
きんつば♪
明日葉茶♪
♪♪
今日のお部屋は連山。「初!内湯付きのお部屋」です。思ったよりも大きくてふたりで入っても窮屈じゃない。いい内湯でした。
広縁が広いです。広縁には、小ぶりな応接セットが置いてあるようなお宿が多いけれど、石葉さんの広縁は、本当に広い。座り心地のいい椅子を余裕で好きな方向に向かせることができます。この間取り、すごく好き。
横には書院があり、これまた使いやすい。この横に椅子を置き、このデスクにお茶を置き、ぼーーっと外を眺めていると時間が経つのを忘れました。
ダーリンのご所望。腰の痛いダーリン(自分メモ=数日前、自宅の水回りを修理するのに、洗面所下に変な恰好で潜ったため)、今回は、肘掛けを持ってきていただきました♪
内湯あがり、ダーリンはビールで一服。
私は冷蔵庫から野菜ジュース♪
このくつろぎ感! 連山も大好きなお部屋になりました。
おじいちゃん家に遊びに来たような。どなたかの別荘に招かれたような。素朴で品のいいたたずまいがとてもいいです。
いざ、夕食!
仲居さんが、まず最初に蟹を持ってきてくれました。緑のタグ。間人蟹です!
1.1キロ。立派な蟹です。生きてます。足が動いたり、泡を吹いていたり・・ごめんね! 美味しくいただくからね。
蟹ヒルがついています。身詰まりのいい蟹の証拠なのだそうです。
ダーリンは、来るべく蟹に備えて、日本酒と・・
ビールをセッティング。
私のお水。
食前酒は「レモン酒」。 せいこ蟹に目を奪われ、食前酒どころじゃなかった(笑)。
せいこ蟹、登場! 間人港でとれたせいこ蟹(雌蟹)だそうです。添えてあるのは林檎とほうれん草。上には生姜酢ゼリーがかかっています。
おぉ・・・こういうのを食べてみたかった。特にダーリンが切望していた。よかった。本当に幸せだ。
とにかく美味しいです。美味しいとしかいいようがありません。上のところも中も。せいこ蟹自身は、何度か別のお宿でもいただいたことがある(香箱蟹と呼ばれていた)。これはカ二の臭みみたいなのがまったくない。この時点ですでに「今まで食べた蟹の中で、ナンバー1だ」と思った。
下には内子。プチプチ!
わお。内子、外子、ミソの共演。どこを食べても新鮮できれいな蟹の風味だけがするので、混ぜて食べてもお互いを殺し合うことがなく、むしろ相乗効果で無限に美味しくなる感じ!
上にかかっている「生姜酢ゼリー」が絶品でした。蟹はよく三杯酢で食べるけど、あれに近い。ゼリーになっている分だけ蟹にほどよくからんで、口の中に入れたときちょうどいい味になる。
完・食。
菊名 柿、とんぶり白和え。期待を裏切らないお味。幸せです。
カマス寿し。炙ってある。いい香り! 後ろにはじかみ。
自家製からすみ。下に大根。しっとりねっとり。大変おいしいからすみでした。
塩煎り銀杏。Simple is best。こういう銀杏が食べたかった!!
赤むつ 椎茸 蕪すり流し 柚子。
ものすごくおいしかった。まず、のどぐろ(赤むつ)に焼き目がついていて香りも味も脂の乗り具合も抜群においしい。ふっくら椎茸からはいい旨味が出、そして蕪のすり流し! すり流しってときどきお宿で出るけど、すり流しである必要性がよくわからないことがある(すみません)。これは、すり流してこそのこの食味。こんなにおいしいすり流し初めてだと思った。
せいこ蟹の興奮が落ち着いてきて(笑)ここで食前酒をちびっと飲んでみる。レモン酒とは言っても、甘くない。大人のお酒。洋酒かなぁ。アルコールのいい香り。そして口に含むとレモンが香る! 石葉さんは、食前酒も抜群においしいといつも思う。
天然真鯛。おかひじきと、花穂紫蘇。おかひじき、シャキシャキ!
こぶ締めになってるの?と思うくらい味が濃かった!!
そしていよいよ間人蟹の饗宴が始まります。なんと加瀬料理長が、部屋まで足を運んで焼いてくれるとのこと。えーーっそういうことなの?と驚いた。恐縮です。なんだかどこぞの有名人にでもお目にかかるかのような気持ちでドキドキしてしまった(笑)。
そして登場!料理長。その御手です(笑)。料理長に焼いていただけて光栄、かつ、そのお人柄に触れることができてうれしゅうございました・・!!
料理長に温めていただいた「蟹甲羅焼き」。
1年寝かせた日本酒(丹沢山「麗峰」)が入っているそうな。日本酒の自然な甘味がすごい。超美味しい魚介のスープみたいだと思った!!
いっきに全部飲み干してしまいそう。ダーリンは、こういうの、日本酒と合わせないと食べられないと普段言うのだけれど、普通にこのまま完食していました。この事実だけでも、いかにスゴい蟹なのかわかる。
料理長に焼いていただいた焼き蟹! 香りもいい。香ばしい。
ウホッ!
ひと口食べて驚いた。身がプリンプリン。こんな食感の蟹、食べたことなくて「ホントに蟹なの?」とか思ってしまった。食感だけで言えば、かまぼこくらいの弾力。プリプリ感。
「あま~い!」とか、そういう味ではないです。しっかりとした蟹の味。蟹っぽい臭みがなくひたすらきれいな味。「ジューシー~♪」とも違います。締まった身の味と食感です。すごいです。「蟹観」変わります。
細かくほぐしても、蟹の汁が出ない。中にプリッとギュッと旨味が閉じこもってる。これは、間人蟹だからなのか、新鮮だからなのか、焼き方がいいからなのか・・。とにかく、今まで食べてきた蟹と食味が違う。口の中が、これって蟹ですか?とひと口食べるたびに面食らっていた。
わずかに残しておいた蟹味噌につけてみる。
ダーリン作♪ こりゃうまいに決まってるよね!
はさみのところ。ワオ、なんという焼き加減! 絶妙なミディアムレア!! 料理長さんとは、蟹を焼きながら楽しくお話させてもらったのだけれど、蟹を見つめる目だけは、ものすごく真剣で印象的でした。私は石葉さんのお料理がとても好きで、きれい&丁寧なお仕事がなされているお料理、という印象を持っていましたが、実際に料理長さんにお目にかかって、お料理から受けてきた印象どおりの方だな~♪と思いました。
間人蟹をいただけて、本当に本当に‥幸せだと思いました。予約サイト「一休」にあるプラン名は「蟹と季節の地野菜を愉しむ」。「丹後、間人港をはじめ日本海で水揚げされた選りすぐりの松葉ガニを存分にご賞味いただきます」とあります。実際、希少な蟹であることは、ネット記事などでもよく見ていました。だから「間人蟹だったらうれしいけど、無理かもなー。それでもいいや!」と思っていました。だから余計にうれしかった。本当に幸せでした。
新蕎麦 自然薯 山葵。
蕎麦は北海道産。料理長の手打ち。
下にはお出汁が敷いてあり、山芋、わさびをまぜるとピッタリの味。今日のは、8割と9割の間くらいのお蕎麦だと、蟹を焼きながら料理長さんがおっしゃってたな・・。
間人蟹、パート2♪ 蟹すき鍋。
透き通っています。仲居さんが、ひとつひとつ目の前で出汁にくぐらせてくれます。火の通し加減も聞いてくれます。ふたりとも「レアで」とお願いしました! 蟹刺っぽい感じで食べてみたかったの。
「ザ・間人蟹」。いただきます。
レアです。いい感じです。そして実際うまかった。
2本目。これもふたりともレアで。
やっぱり身の弾力がすごくて、蟹の味がスッキリきれい。これまで食べてきた「茹で蟹」とか、ましてや「カニ缶」とは全く違う。臭みがなく、蟹のピュアな味を楽しんだ気がします。間人蟹をこんなに美味しく調理してもらって食べるなんて、望んでもなかなかできないこと。「私もう、人生、思い残すことない」。私は確かに、この蟹を食べながらそう言いました・・。
レアな感じがいいです。もっと火を通すと甘みが増すのかもしれないけれど、火のよく通った蟹は今後も食べることがあるかもしれない。レアで食べることはもうないかも、と思ったので3本目も「レアで」。ダーリンは「ミディアムレア」で。
「この1年がんばってきてよかった。すべて報われた。この蟹で・・」と思ったら、まじで涙出そうになった(笑)。ここ1年ほど、私の運の悪いのなんのって。すべての運がここに集結し、間人蟹にありつけたとは。聞くところによれば、気候変動の影響だけでなく、漁師さんの数(船)も減っていて、本当に希少なのだとか。石葉さんに心から感謝したい。
鍋の中に大根。そして仲居さんによって芹が投入され、お椀を作ってくれました。
スープを口に含めば、蟹の風味がほわん♪ そして芹。芹って美味しいよね。
そして大根。いいお味です。
間人蟹、余すところなく堪能。夢中で食べ過ぎた。放心状態。
海老芋おかき揚げ。添えてあるのはくちこの素揚げ。
こんなに美味しく蟹をいただいた後、かすんでしまって当然の海老芋なのに・・! これまたものすごく美味しかった。最初にやってくるのはサクサクの食感。次に海老芋のねっとり感と甘み! 海老芋は、いいお出汁の味がしみていました。
薄ーく衣がついてます。本当にこまかーい衣がうすーく。大変丁寧で繊細な石葉さんのこんなお仕事が、私、とっても好きで、料理長さん、どんな方なんだろうと思っていました。本当に、会えてよかった間人蟹と料理長・・!
くちこは口の中で噛みしめているうちに凝縮雲丹のような味がしてくる。海老芋と一緒に食べると、コクと独特の風味が加わってグー。
蟹雑炊♪ どんぶり(だったっけな?)に仕上げてくれるチョイスもあったのだけれど、蟹雑炊で!
赤いのは、ナルトかと思ったら、蟹だった(笑)!!!
たまごトロトロ!!
香の物♪
すごいね。間人蟹雑炊なのもすごいけど、プロが作ると雑炊ってこんな風になるんだ・・というのが感動だった。
黒七味。これがいい薬味!! 唐辛子に加えて山椒のピリッと感もある。
おかわり。ふたりとも、軽めにもう1杯ずつ♪
また新たに、玉子入れて作って出来立てを持ってきてくれたんだと思う。すごいすごい・・。石葉さんって、やることに手抜きがないというか、心がこもってる感があるというか・・。
奈良県産「江戸柿」。
この「きじょうゆ」をかけて、食後酒のようにどうぞ、とのことでした。
粟ぜんざい。
自家製のあんこだそうです。小豆が大きくてふっくら。粟ぜんざいは甘み控えめで、あんこと合わせて食べるとかなりの美味!!
柿がトロットロ。きじょうゆは、なんともいい香りのお酒??で大人のデザート。これ、好きです。石葉さんは、食前酒といい、最後のデザートといい、大人のお味でいいんだよね。あまりにおなかいっぱいで、夜食のお饅頭、撮り忘れたけど、きっちり食べました。おなかぱつぱつ。