石葉 夕食編 2020/03/03
湯河原(神奈川)の旅館『石葉』さん。
3月3日。今月も来ました。石葉さんです。ここ1ヵ月、50肩なのか何なのか・・とにかく左肩と腕が痛い。カメラ構えるのも辛い感じなので、今回はいつもより写真ちょっと少なめ。早く元気になりたいな。
お部屋でいつものとおりお着き菓子をいただきました。
いつもの明日葉茶。
桜餅。春だねぇ。美味しかった!
今回思ったこと。お茶もお菓子も美味しくて、食器も設えもセンスよくて。仲居さんは所作美しくさりげない気遣いに溢れてて。これまで6回の宿泊は、そういうことのひとつひとつに感動を覚えていたのだけれど、今回は違いました。いつものお茶と季節のお菓子をいただいて「あー帰ってきたな」みたいな気分。当たり前のように提供されている石葉さんのサービスのひとつひとつは、決して当たり前ではなく、石葉さんだからこそできているものだと思うのだけれど。そういうことも忘れちゃいそう! 居心地よ過ぎてもう他の宿には行けそうもないな、なんてことを思いました。
今日のお部屋は「城山」。
ふたりとも大浴場へ。私も、温泉で肩痛がよくなることを期待して!
私の風呂上りの1杯。
お水に代わって、今日は冷蔵庫からペリエをいただいてみました。
待ちに待った夕食♪
夕飯スタート♪
食前酒。ひな祭りということでどぶろくを振舞ってくださいました。
甘いです。酸味もあります。美味しいです!! かなり好きでした♪ 確か長野県のお酒って言ってたかな・・。
平貝 板わかめ 蕨 黄身酢。
平貝がメッチャ美味しい! 貝類そんなに好まないダーリンが感動してた。黄身酢の加減がこれまたいい感じで。上の板わかめは、わかめを乾燥させたものだそうで、口に入れたときは海苔?と思うんだけど、噛んでいるうちにわかめの風味がしてくる! 潮の塩味が加わってとてもよかった。
普通の蕨なのかと思ったら、ちゃんと出汁が染ませてあって、口に入れた瞬間、期待している以上の美味さが口に広がった!
みる貝酒盗漬け。
鮒寿司道明寺 こごみ味噌漬け。こごみが味噌漬けになってるのに、シャキシャキで驚いた!
厚焼き玉子 車海老甘煮 穴子八幡巻き くち子。厚焼き玉子は、朝の玉子焼きとは違う。伊達巻に似ていたような・・甘くて旨味が強くて美味しかった。車海老はプリップリ。穴子の芯はゴボウではなくうど。口に入れるとフワッと春の香り♪
周囲は確かに道明寺! もちもちしてて、かつ、カリカリしてる。 鮒寿司って初めて食べたなぁ。刻んであって量も多くない。それでも「鮒寿司ってこういう味かぁ・・」とわかるくらいの主張がある。かなり癖のある食べ物だとは聞いていたから、今回ちょっとだけ食べれてよかった♪
さりげなく箸置きが素敵。
ダーリンの一番のお気に入りはコレ。くちこ。焼き目が香ばしくていい感じ。いつまでも口の中でくちゃくちゃしていたい・・!
私のお気に入りはこれ。「貝!って感じだよね」「いかにも貝!って感じだね」とふたりで言い合ってた(笑)。それしか言葉が出てこない! みる貝と酒盗を合わせることで、貝以上に貝・・そんな感じ。防風も、緑を添えてあるだけなのではなく、不思議なくらいみる貝との一体感がある。
蛤 菜の花。仲居さんが、お鍋をその場で仕上げてくれます♪
黒七味。
蛤大きい! プリプリ。ツヤツヤ。
本当に美味しい蛤でした。調理法もいいのだと思う。仲居さんがその場で仕上げてくれるので、火が通り過ぎておらず、蛤の持つ弾力とジューシーさを存分に堪能できる。春にはあちこちのお宿で蛤を出してくれるけれど、こんなに直球勝負の蛤料理は食べたことなかったし、最も蛤を感じることができた。
黒七味を入れてみた。「アレ?合うじゃない!」と驚いた。十分過ぎるほど美味しいお汁だし、繊細な蛤の味が出ているから、パンチを効かせるようなことしなくてもいいんじゃないかと思ったのだけれど、黒七味の香りやら風味がお椀の味を壊すことなく、むしろさらに美味しくしてくれていた!
季節の魚。ほうぼうとあおりいか。
ほうぼうはお醤油で。
あおりいかは、からすみ粉で。
今日のお酒たち。ダーリンここでビール2本目。
ほうぼうは、脂がのっていて大変美味しかった。いつもながら、石葉さん、白身美味しいです。あおりいかにこのからすみ粉をまぶすのもこれまた美味で。お造りというよりは、八寸の中に出てきてもおかしくないような「完成されたひと品」みたいになりました!
鰆塩焼き 酢橘 花山葵添え。七輪の上に乗せられて部屋にやってきます。仲居さんが、その場で取り分けてくれました。
花山葵。山葵の風味とほどよい酸味。鰆のお供にちょうどいいお味。
香ばしい香りが漂います♪
いい焼き加減じゃありませんか!
ほどよい塩気。身がしっとりふわふわ。ふっくら。味と食感、ダブルに感動でした・・。
「ここを食べてみ!」とダーリンに言われて食べたの図。確かにここの部分、旨い! 脂が乗ってる。皮がパリパリ。
私はあまり酢橘をかけない人なんだけど、鍋のとき黒七味が入れてみたら非常に美味だったので、出されたものはすべて料理長のおすすめなのだろうと、かけて食べてみようと思った。確かに合うね。最後の一口を酢橘でいただきました♪
どーよこの身。写真見てるだけで、この食感と味を思い出してよだれが出る。ここら辺から、写真の枚数が多くなっていった。今日は、肩と腕が痛いから最低限しか撮らないと心に誓っていたのに・・。あまりのおいしさに、この感動を写真にどーーしても残しておきたくなった。
蕗切り 山葵。
先月は「柚子切り」で感動したんだけど、今月は「蕗」! まずやってくるのは蕎麦の風味。そして後から、蕗の香りと苦みがすごい勢いで追いかけてくる! 料理長の手打ちそば、毎回楽しみになってきてる。
飯蛸 筍 蕗 木の芽。
こういう筍を食べたかった! 何年もいろんなお宿に泊まって、あちらこちらで筍いただいて、みなそれぞれに美味しかったのだけれど、simple is best。私が食べてみたいと思っていた筍がここにありました。食感が絶妙。固くなく。柔らか過ぎず。シャキシャキ。いい味が芯まで染みているのに、筍そのものの味がこれでもか、というくらいにちゃんとする。
ダーリンが感動していたのは飯蛸。飯蛸も、あちこちでいただいてきたけれど、感動するほどの美味しさだったことはない。「飯蛸って、こんな感じか・・」と思ってた。これは、まじで旨かった。なんていえばいいのか・・飯の部分の食感がいい。弾カっていうのかな。そして、芯までいいお味が染みている。もちろん蕗もね。蕗も旨かった(うっとり)。
相州牛炭火焼き のびる 白アスパラガス 山椒醤油。
相州牛はフィレ。とってもやわらかい!
のびるは、たまねぎフライみたいになってた! 凝ってるねぇ! お肉と合う。
感動だったのが、この白アスパラガス。長野県産だそうです。とてもジューシーで驚いた。焼いてあるだけなんじゃないかなぁ。それが逆にいいんだと思う。野菜の自然の甘みとアスパラの風味が存分に引き出されていて、「こんなに美味しい白アスパラ初めて食べた・・」と思った。
蒸し寿司。ひな祭りの頃には、蒸し寿司が出ると、以前仲居さんから伺ったことがある! ちょっと楽しみにしてた♪
すまし汁。
香の物。しば漬けとなら漬け。
器もあたたか。蒸し立てのいい温度です。
麩がふわふわで舌ざわりがとてもなめらか。我が家の麩とは全然違います(笑)。驚いた!
んーー美味しい♪ 寿司といっても味が濃すぎなくて、やさしいお味です。パクパクいけちゃう。
お替わりいただきました。ちゃんとひとつづつ蒸して出してくれてるんだな、とわかるような間合いと温度。石葉さん、お仕事が丁寧です。
9種類の具が入ってるのだとか!
ふたりで9種類見つけてみようと。穴子 かんぴょう かに えび いか 白ごま・・後は不明(笑)。贅沢な蒸し寿司でした。
百合根汁粉 蓬麩。
これは面白い! 変わり汁粉だねぇ。あんこであるべき部分は、ゆり根! ゆり根の自然な甘みを感じてすごくいい。お餅であるべき部分が、蓬麩♪ 意表をつかれる感じで「ん?」って最初は舌が驚くんだけど、妙に美味しくてこれもお替わりしたかったくらい(笑)。
夜食の温泉饅頭もいただいて、今日もいい1日でした。今までいろいろな宿で春の懐石をいただいてきたけれど、やっぱり石葉さんすごいなと思った。春のごちそうって、香りも味も繊細だよね。豪華に飾りたてたり、味をいろいろ加えなくても、食材のよさをひきだすだけが最高のごちそうなんじゃないかな・・。石葉さんのお料理が美味しいことは十分わかっているつもりでしたが、今回、さらにぞっこん好きになってしまいました。
今日のナンバー1!